お世話になります。
の高橋です。
「添付はパスワード付きです」
「先ほどお送りした添付のパスワードは○○です」
皆様、上記のような2通に分かれたメールを
頻繁に受信していることかと思います。
PPAPと呼ばれる添付セキュリティのことです。
PPAPは日本独自の文化だそうです。
セキュリティ技術的には効果が限定的すぎることもあり、
かつ、ITセキュリティの専門家を謳う人ほど「海外かぶれ」が多いため、みな一様に
PPAPは無意味、生産性を落とす、これこそが脆弱性である、今すぐやめろ、
などと声を荒げ叩かれることが多いのが
「先ほどお送りしたファイルのパスワードはコレです」の現状です。
(PPAP発祥の経緯・歴史はそれなりに事情がありますが本稿では割愛します)
わたしたちはPPAPに肯定的です。
その理由は「PPAPには日本のビジネス文化の本質があるから」です。
わたしははっきり申し上げて
(「海外かぶれ」のITセキュリティ専門家様には申し訳ないですが)
PPAPにはれっきとした以下の効用があることを主張します。
・技術的にどうであれ、情報を保護するという姿勢を示していること
・取引先(特に大手の)に「低セキュリティ」と思われるリスクを避ける
・また、PPAPは礼儀あるいは儀礼としての役割を果たしている
海外の事情は不勉強ながら知りませんが、日本のビジネスでは
取引の各段階で社会的に適切な形式を踏むことが信頼関係の構築につながります。
今では確実に廃れつつありますが
盆暮れ歳暮、年賀状、紙の書面、弔電供花、ハンコ押印などなど、、
が、かつてそれに該当したでしょう。
PPAPは上記と同じように
「正当な手順を踏むことであなたに敬意を払っているのです。」を
ハッキリと取引先に明示、可視化するためには
とても有用な手段です。
「海外かぶれ」の言う通りにPPAPをやめた企業が、取引先から
「なぜパスワードをかけなくなったのか?」と架電を受けるケースは少なくありません。
技術的な合理性は大事かもしれませんが
世にそれを求めるのは押しつけであり誤りです。
相手への配慮や慣習が技術と同じぐらいに重要視される、
それが日本のビジネス現場の現実だと感じます。
一部例外もあります。
PPAPはあくまで日本企業である取引先との関係を円滑に保つための手法です。
御社が海外の企業と取引しているのであれば
その海外企業向けのメールに限り、PPAPは即刻廃止すべきです。
クラウドストレージでの共有、専用の暗号化ツールなどを検討すべきでしょう。
その際は「海外かぶれ」の方々のご提案が真に役に立つため
わたしたちの出る幕はありません。
PPAPは日本人の「形を大切にする心」の表れです。
「心の癒し」とも言い換えられましょう。
科学的に完璧かはさておき自らの姿勢を示す、相手への配慮を見せる、
その安心感こそが、日々雑多な業務の中で取引先に小さな安らぎを与えてくれているのです。
大切なのは
自社のセキュリティレベルと取引先との関係性を天秤にかけて
最適なバランスを見つけること、
本当に守るべき対象があるのなら専門家の力を借りて適切な対策を講じることです。
本稿ご参考いただければ幸いです。
本日もお疲れさまでした。
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