お世話になります。
の高橋です。
近年お客様より、ノーコードおよびローコードツール、
それらを用いた開発基盤の良し悪しについて聞かれることが増えています。
ご回答としては、「お勧めしない」とすることの方が多いです。
国内だけを見ても、
多くのノーコード・ローコードシステム構築ツールが出回っています。
それらの主な売り文句は一律、言ってしまえば
「ドシロウトでも簡単にシステムが作れてアップデートも簡単」ですが
正直申し上げて、我々中小零細企業にとってこの主張は「まやかし」です。
もちろん、各種プログラム言語を直に扱いデータベース等を構築することと比較すると
ノーコードツールはおっしゃる通り「簡単」です。
ツールがあらかじめ示す機能範囲に限りますが「簡単」は事実であり真実です。
この点にウソが一切ない故に「まやかし」に気づけないユーザは後を絶たず、
購入後に苦しい思いをする企業さんは今後増加傾向となるでしょう。
難易度は大切な要素の一つではありますが、主目的ではありません。
システム選定において最も重要なのは「簡単かどうか」ではなく、
「自社特有の業務を実現できるかどうか」です。
不適合のシステムはどれだけ簡単に作れたところで誰にも必要とされません。
また、ツールの機能範囲から少しでもハミ出た要件は、
実装の難易度が跳ね上がる製品がほとんどです。
上記のノーコードが主張する「簡単」についても、
要件によってはウソとなるケースが充分あり得ます。
パンフレットの端っこに※印があるので、よく目を通しておきましょう。
自社特有の業務を実現するにあたって、
システムを構築する担当者には以下の知識技能が求められます。
①自社の業務ルール、積み上げたノウハウを把握していること
②それらを要素分解し、アルゴリズム(システムの項目、条件分岐)に落とし込むこと
この①②はローコードツールの使用有無にかかわらず必須要素です。
自前でSE集団を雇っている大企業でない限り、ローコードツールを用いたとしても
良いシステムを構築・維持するのは至難の業であるはずです。
さらに、長期の運用を見越すなら以下の要素も選定条件とするべきです。
1.トータルコストの想定、10~20年合計
2.他社システムや他社ベンダーへ移管可能か
上記1は随意に計算・見積比較が可能でそう難しくはありません。
強いて難点を挙げるとすると
「ローコードツールは使う人数と費用が正比例する場合がある」ですが、
それは見積を取り寄せれば正確な情報が得られるはずです。
上記2は正にローコードツールの落とし穴となります。
将来的に何か事情が発生し、別のツールやベンダーへ乗り換えようと思っても、
ほとんどすべてのツールは、他社への「簡単」な移管が不可能です。
過去データの流用・受入機能が存在するツールは多いですが、
システムのアルゴリズム部分の移管はほぼ不可能で、
乗り換え先で再構築を行う必要が発生します。
上記まとめると、以下の流れで「お勧めしない」と回答することが多いです。
・「簡単」かどうかは御社の従業員の技能に依る
・あまりに独自な社風は実装できず、
そのためシステムが軌道に乗るかどうかは契約後にしかわからない
・将来的に、他社への移管は「簡単」でない
乗り換え時は作り直しとなり、構築コストが再度発生する
上記清濁併せ呑むことができるなら
ローコードツールも検討の価値あり、と言えますが
中小零細にそれは「簡単」ではないだろう、と感じるところです。
本日もお疲れさまでした。
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