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全国業務システム相談センター 業務システム・コラムVol.159 2025.01.18(日)高橋実

システム陳腐化の対策、特効薬は「担当者を変えぬこと」

お世話になります。
の高橋です。

古くはコンサル屋をしていた時代から、
90年代にAccess2.0の隆盛に魅せられシステム屋へ転換し現在に至るまで
今も昔も、ご相談の主題としてよくあるのは
「コンピューター(システム)の仕様が分からなくなった」
「資料は破棄していないが古く、有名無実化していて読めない」
といったお悩みです。

リーマンショック以降にMicrosoft AzureやAWS、
コロナの時期からはDXという概念が流行の兆しを見せ、
やれクラウド化、レガシー撤廃、システム刷新、と
経営者の野心を煽る営業文句が飛び交うようになりましたが
いつでも新時代の幕開けに見せながら
システム開発の現場や発注側の企業において
やっていることは旧来より変わりがありません。

企業に寿命はありませんが、
従業員には定年という寿命があり、
システムには陳腐化(本質としてはブラックボックス化)という寿命があります。
システムは従業員や他のリソースと違い、
工夫次第で寿命を延ばせるため
日々わたしたちは各企業様へシステムの保守サービスを提供しています。

陳腐化は大きなシステムだけでなく
お手持ちのExcelファイルにも発生します。
今は中身を把握し正しく運用できているExcelであっても、
いつかその仕様が誰にもわからずメンテナンスができなくなる時が来ます。
現に今あるExcelも、その経緯でイチから作り直したものではないでしょうか?

システム陳腐化の特効薬は「担当者を変えぬこと」です。
もっと言うなれば「担当者をできるだけ減らさぬこと」です。

システムは構築時に大量のSEを必要としますが、
展開から安定稼働の時期に入るとほとんどのSEが不要になり解任されます。
脳内のすべてをデータ化する技術など無いため、
解任したSEの数だけ積み上げてきたノウハウが失われます。
ノウハウが無くてもシステムは構築済みのため、
当面の間は問題なく稼働しますが
長期的にSEの解任や交代が繰り返されて、
その結果「誰も仕様の全容を把握できていないシステム」が完成します。
陳腐化したシステムは保守や改修の難易度が跳ね上がり
程度によっては刷新さえ困難になるケースもあります。

上記はシステムのことだけでなく
社内でExcelを組んで長期間運用する場合にも当てはまります。

システムの陳腐化、ブラックボックス化の予防には以下が有効です。
①できるだけ少ない社内外SEの人数でプログラムや関数を組むこと
※補足:意見募集や交換、方針決定は大人数で行っても問題なし
    経営者の「鶴の一声」で設計しても問題なし
    ボトムアップ/トップダウン型の別は陳腐化と関係なし
    内製/外部委託も同様に関係なし
    いつも通り、企業の社風に合った方式を選択
②構築を担当した社内外SE同一人物に保守をさせ、
 配置換えや解任による口減らしをしないこと
③やむを得ずSEの引継ぎが発生する場合は
 現SEが在職のうちにイチから作り直すか外部に再委託する

担当がいなくなってから、ではあまりに遅く、
陳腐化したシステムは維持にしても刷新にしても
それまでより過大なコストがかかるようになります。
先手の采配を行い、システムやExcel、コンピューターの陳腐化を少しでも先延ばしにできれば幸いです。
上記ご参考いただければと思います。

本日もお疲れさまでした。

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