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全国業務システム相談センター 業務システム・コラムVol.156 2024.10.31(金)高橋実

Excelの中身が複雑なのは当然であり悪ではない

お世話になります。
の高橋です。

現場で自作し運用されているExcelやAccessは
年数が経過するほど中身が複雑になります。
Excelが年々複雑になってゆき、
当初作ったその人にしか中身がわからず
他の人では仕様変更やエラー対処ができなくなっている、
という事例もよく見聞きします。
これは中小企業のよくある現場事情だと思います。

一方、システム会社は
いわゆる「脱Excel」「脱属人化」、
複雑なExcelを撤去することの効用を謳い
自社のソリューションを各社に売り込みます。

わたしたちとしては、このソフトウェア市場の流れに一抹の不安を覚えます。
その複雑なExcelは、本当に「脱」するべきものなのでしょうか?

手組みのExcelやAccessが複雑になるのは当然のことです。
理由は主に以下の通りです。
・仕事は試行錯誤、PDCAの賜物であること
・Excelが複雑ということは試行錯誤実践の証左であること

また、複雑なExcelや属人化業務は悪と言えません。
積み重ねられた属人化要素があろうと、今日時点においては許容すべきです。
過去の試行錯誤のおかげで今日の業務が回っていると推察するのが因果関係上当然であり
その結果、現在においてたまたま複雑化しているExcelが
過去に遡って責めを受ける謂れはないはずです。

とはいえ、Excelを積み上げてきた該当人員が会社を去ると
誰もそのExcelをメンテできず、
積み上げてきたノウハウが活かしにくくなるのは事実です。

将来的に属人化を徐々にでも取り除きたいと本当に思うのであれば
ExcelやAccessを今の業務ノウハウにて自社でイチから作りなおすか
プロに依頼してシステムを作ってもらうか、あるいは買うか
長期でいずれかの対策を行うのもよいでしょう。

自社でExcelをイチから作り直す際は「他の人員に作らせる」ことをお勧めします。
元の作成者Aさんが次の作成者Bさんにシステムの目的や概要、業務との関連を伝え
Bさんはそれを整理し、新たにExcelあるいはAccessで同様のシステムを組み上げる
という流れにすれば知の引継ぎが発生し、システムの延命がより充実します。
Bさん側を複数人、あるいは全社とすることができるのであれば
知の引継ぎは知の共有と化し
ヨソから高いシステムを買う必要は将来的にも一切なくなるかもしれません。

Excelは業務ノウハウの塊であり、会社の重要な資産、宝です。
長年経過のExcelには継ぎ足しで積み重ねた熟練の「味」があり
中身が複雑になるのは自然であり当然のことです。
その難解さや属人性、現在や過去を嘆くのでなく、次に何をするべきかに集中し
明日の会社作りを考えることをお勧めします。

本日もお疲れさまでした。

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