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全国業務システム相談センター 業務システム・コラムVol.166 2025.08.01(土)高橋実

クラウドもシステム会社を自社に縛るのに有効な一手です

お世話になります。
の高橋です。

前回に引き続き、システム会社を御社に首ったけにする方法について
以下、ご案内します。

よく「クラウドは安い」というPRを見聞きします。
実際のところはそうでなく、
クラウドは自社でサーバを構築するよりも
コストが大きくなることがほとんどです。

なぜ多くの企業がクラウドを選ぶか?というところで
一般的には語られない「クラウドの特殊なメリット」について
いつも通り中小企業の社長さんの視点で解説します。

結論、クラウドのいちばんの利点は
「システム会社を自社により強く縛る」です。

クラウドが高くつくものだったとしても選ばれている理由は、
コスト以外のメリットにあります。
一般的には、クラウドのメリットとして
よく挙げられているのは以下の通りです。
・多拠点同時使用
 本社と支店、在宅勤務者などが同じシステムを使える
・BCP対応
 銀行や取引先から要求された場合特に有効
・その他、セキュリティ、自動バックアップ、API連携、などなど
 顧客や取引先とのデータ共有が比較的容易になる、など
・初期投資の軽減
 サーバ購入費用が不要で、月額料金のみでスタート
 (月額料金は永年必要ですので、結局高くつきますが)
・サーバ増強は月額UPのみ、機器の交換や買い増しは不要

上記は確かによいメリットですが
特に今回触れたいのは、上記とは別の「特殊なメリット」についてです。

クラウドには、一般的には語られない重要な効果があります。
それは「システム会社を自社に引き付けておく」「縛って離さない」
という効果です。

ニュースなどでお聞きとは思いますが、現在の日本では
深刻なIT人材不足が続いています。
システム会社やエンジニアは引く手あまたで、
また、みなそれぞれ生活のこともあるので
より条件の良い仕事があれば、どうしてもそちらへ移ってしまいます。
ビジネスなので仕方ないですがこの点は無情なものです。

上記のため、特に中小企業は
付き合いのあるシステム会社をいかに自社に引き付けておくか、
いかにシステム会社がヨソへ逃げないようにするか、ということが
IT戦略を組み立てるうえで重要な要素となります。

御社、つまりシステムの発注側が中小企業の場合、以下の理由から
一般的なシステム会社から見た御社は「一時的な顧客」と捉えられがちです。
・システムの規模が比較的小さく、
 大手さんの仕事と比べて利益率が低い
・システムの規模が小さいと、個々のエンジニアが
 「将来的なスキルアップには繋がりにくい」と感じてしまう
・予算制約が厳しく、最新技術への投資が難しい

しかし、システムというものは大手/中小にかかわらず
一度構築したら終わり、というものではありません。
ほとんどのシステムは継続的な保守・運用・改善が必要となる以上、
どの会社さんもいちど付き合い始めたシステム会社とは
長期的で良好な関係を維持するべきです。

従前より、システム会社との関係を
効果的に維持する手段のひとつとして「保守」がありました。
定期的に保守料金を支払うことでシステム会社との取引を継続し、
関係性を確保し続けるのが「保守」です。

ただ、保守には
「システム会社側から打ち切られやすい」という
大きな弱点があります。

大抵、システム会社のホンネとしては「儲からないから打ち切り」ですが
たとえば「Windows10のサポート終了に伴い…」「人員不足が…」など
もっともらしい建前で
保守の終了を一方的に通告されるケースが実際に増えています。
保守が無くてもシステムが直ちに停止するわけではないため
「保守打ち切り」はシステム会社にとって選びやすい選択肢です。

一方、発注側がシステム会社へクラウドの依頼をしている場合は
状況が大きく異なります。
クラウドの停止は即ちシステムの停止であり
保守打ち切りとは違い「とりあえず動いている状態」とはなりません。
そのため、保守と異なりクラウドの打ち切りには
移行先の選定と移管の実施など、相応の計画が求められることがほとんどです。
それらクラウド移行の労力を
たとえシステム会社が負担しない(移行先のシステム会社が負担する)としても
クラウドについては安易に打ち切りの打診などはしにくいものです。

保守契約の打ち切りを打診するシステム会社は決して珍しくありませんが
クラウドの打ち切りを一方的に宣言してくるシステム会社は皆無に等しいです。

上記まとめると
クラウドを選択することで得られる「隠れたメリット」は
システム会社との長期的で安定した関係を維持しやすくなることです。
これは
・継続的なシステム運用の安心感
・トラブル時の迅速な対応保証
・システム改善や拡張時の一貫したサポート
という形で、企業のIT戦略に大きく貢献するはずです。

もし今後、クラウドにするか、しないか?の選定が必要になった場合は、
単純なコスト比較だけでなく
「システム会社との関係継続効果」も検討要素とされることを
お勧めいたします。

本日もお疲れさまでした。

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